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お酒のやめ方:安全に禁酒・断酒するための実践ステップガイド

お酒をやめたい人のための、安全で実践的なステップガイド。先に医師に相談すべきケース、準備の仕方、最初の数日の乗り切り方、自分に合うサポートの見つけ方を紹介します。

お酒のやめ方を考えるとき、最初に確かめたいのは安全のことです。急にやめても、自分の体にとって危険はないでしょうか? 大量に、または毎日飲んでいるなら、禁酒を始める前にまず医師に相談してください。そのうえで、シンプルな計画を立てましょう。やめたい理由をはっきりさせる、断酒か節酒(飲む量を減らすこと)かを選ぶ、始める日を決める、いつも飲んでいる時間に備える、そして薬や心理療法、自助グループなどのサポートを得る、という流れです。

大量に、または毎日お酒を飲んでいますか? やめる前や減らす前に、医師に相談してください。 アルコールの離脱症状は危険なことがあります。軽い震え、発汗、吐き気、不安、動悸に気づいたら、医療機関に相談してください。激しい震え、意識の混乱、実際にはないものが見えたり聞こえたりする、けいれん発作といった症状は緊急事態です。すぐに救急車を呼んでください。

まず確認:急にお酒をやめても安全ですか?

英国の国民保健サービス(NHS)は、体がアルコールに依存している場合、いきなりやめると体に害が出るおそれがあると警告しています。

次のどれかに当てはまる場合は、やめたり減らしたりする前に医師に相談してください。

  • 大量に飲んでいる。または、毎日かほぼ毎日飲んでいる。
  • 朝や、お酒を飲まずにいるときに、不安になる、手が震える、汗が出る、気分が悪くなる。
  • 朝にお酒を飲まないと、ふつうの状態に戻れない。
  • 以前に離脱症状が出たことがある。臨床レビューによると、過去に重い離脱症状(振戦せん妄)を経験したことがある場合や、離脱をくり返している場合は、重い離脱症状が起こる可能性が高くなります。
  • 高齢である、ほかに重い病気がある、ほかの薬物を使っている、またはベンゾジアゼピン系の薬や睡眠薬などの鎮静薬を飲んでいる。

医師の助けを借りるといっても、必ずしも入院するわけではありません。NHSによると、離脱をより安全にする薬は、多くの場合、自宅で飲むことができます。ただし、医療的なサポートのある施設に短期間入院する必要がある人もいます。

NHSによると、離脱症状は最後に飲んでから6〜12時間以内に始まり、ふつうは3〜7日間続きます。先ほどの臨床レビューによると、けいれん発作はたいてい最後に飲んでから24〜48時間後に始まります。最も重い形である振戦せん妄では、意識の混乱、幻覚、発熱が起こります。たいていは最後に飲んでから2〜3日後ですが、10日後に起こることもあります。命に関わることもあります。詳しくは、お酒をやめると体に何が起こるかをご覧ください。

どれにも当てはまらない場合は、次のステップで、お酒のやめ方と減らし方を見ていきましょう。

お酒のやめ方:まずは準備から(ステップ1〜4)

ステップ1:やめたい理由をはっきりさせる

迷う気持ちがあるのは自然なことです。飲み続けることと変えることのメリットとデメリットを比べてから、変えたい理由のトップ3を書き出しましょう。たとえば、よく眠れるようになる、お金が貯まる、健康のため、子どもとしっかり向き合えるようになる、などです。飲みたい気持ちが湧いたときに見返せるよう、そのリストをスマホに入れておきましょう。

ステップ2:断酒か節酒かを選ぶ

お酒を完全にやめたい人もいれば、飲む量を減らしたい人もいます。米国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)は、次に当てはまる人には、減らすのではなく、やめることを強く勧めています。

  • 減らそうとしたことはあるが、決めた量を守れない
  • アルコール使用障害(AUD:問題が起きているのに、飲酒をコントロールしにくい状態)がある、または過去にあった。あるいは、渇望(強い飲酒欲求)など、そのサインがある
  • 飲酒が原因の、または飲酒で悪化する健康上の問題がある
  • お酒と影響し合う薬を飲んでいる
  • 妊娠している、または妊娠している可能性がある

減らすことを選んだ場合は、飲む日と、その日に飲む標準ドリンクの数をはっきり決めましょう。NIAAAによると、米国では、1標準ドリンクは通常のビール12オンス(約355ml)、ワイン5オンス(約150ml)1杯、または蒸留酒1.5オンス(約44ml)のショット1杯です。

NIAAAのヒントでは、まったく飲まない日(休肝日)をつくることを勧めています。2〜3か月たっても改善が見られなければ、お酒をやめる、専門家の助けを求める、またはその両方を勧めています。

どちらを選んでも、飲む量は少ないほどよいのです。世界保健機関(WHO)によると、リスクのない飲酒量というものはなく、害の大部分は大量の飲酒から生じています。

まだ決められませんか? お酒を飲まない1か月を試してみるのは、気負わずに確かめられる方法です。自分にレッテルを貼らずに、ソバーキュリアス(あえて飲まない暮らし)を試してみるのもよいでしょう。

ステップ3:始める日を決めて、誰かに伝える

これから1〜2週間のうちの一日を選びましょう。結婚式や大きな仕事の行事の前日は避けます。やめるのに医療の助けが必要な場合は、医師と一緒に日にちを決めてください。

次に、NIAAAの変化のための計画テンプレートをもとにした、短い計画表を埋めてみましょう。

  • わたしの目標:___
  • 始める日:___
  • いちばんの理由:___
  • 取り入れる方法:___
  • 支えてくれる人と、その支え方:___
  • 障害になりそうなことと、その乗り越え方:___

少なくとも一人には伝えて、続けられるよう支えてもらいましょう。頼み方は具体的に。NIAAAは、お酒を勧めないこと、目の前で飲まないこと、批判ではなく応援してほしいことを友人に頼むよう勧めています。家族にやめることを伝える方法も参考にしてください。

ステップ4:家からお酒をなくす

家で飲むことが問題の一部なら、家にお酒をほとんど、またはまったく置かないようNIAAAは勧めています。

  • 始める日までに、流しに捨てるか、人にあげる。
  • 代わりに飲むものを買っておく。
  • コンビニや酒屋の前を通る帰り道など、お酒を買うことにつながる習慣を変える。

禁酒を続けるコツ:最初の数日から数週間(ステップ5〜9)

ステップ5:トリガーへの対策を立てる

トリガーとは、飲みたい気持ちを引き起こす人、場所、時間、感情のことです。NIAAAは、避けられるものは避け、避けられないものには別の行動を用意しておくよう勧めています。まずは、自分のトリガーの見つけ方を知ることから始めましょう。

トリガー 対策
仕事から帰ったとき 先に散歩、お風呂、料理をする
金曜の夜の飲み会 ランチや映画を提案する
ストレスや言い争い 誰かにメッセージを送る、外に出る
ソファで退屈しているとき ドラマ、パズル、電話

それでも飲みたくなったら、理由のリストを読み返す、誰かと話す、体を動かすといったことをしてみましょう。あるいは、やり過ごすのも手です。NIAAAによると、欲求は波のように高まり、やがて引いていきます。

ステップ6:毎晩の晩酌をほかの習慣に置き換える

毎晩の晩酌をやめる方法を探しているなら、そのお酒が自分にとってどんな役割を果たしていたのかを考えてみましょう。一日の区切りだったのかもしれませんし、リラックスするためだったのかもしれません。手持ちぶさたを埋めていたのかもしれません。習慣そのものは残して、グラスの中身だけを変えましょう。

  • お気に入りのグラスに、果物を添えた炭酸水、冷たいお茶、温かい飲み物を注ぐ。
  • 役に立つなら、ノンアルコールビールやノンアルコールワインを試す。ただし、本物のお酒が欲しくなってしまう場合や、ジスルフィラムを服用している場合(ステップ10を参照)はやめておきましょう。
  • 夜の過ごし方を変える。NHSは、いつもお酒を飲んでいた時間に新しい趣味を始めることを勧めています。散歩や早めに寝るのもよい方法です。

ステップ7:飲み会や人付き合いの場を乗り切る

丁寧に、でもきっぱりと「いえ、けっこうです」と言えるようにしておきましょう。NIAAAによると、断るのが早いほど、流されにくくなります。

  • 最初の注文で、早めにウーロン茶などのソフトドリンクを手にしておく。
  • 帰る方法と、帰る時間を決めておく。
  • 自分の目標を知っている人と一緒に行く。
  • 最初の数週間は、いちばん危なそうな集まりには参加しない。

お酒の上手な断り方のフレーズ集も使ってみてください。

ステップ8:毎日を正直に記録する

NHSは、毎日の飲酒日記をつけるか、記録アプリを使うことを勧めています。量を減らしている場合は、飲む前に一杯ずつ書き留めると、ペースを落としやすくなることがあるとNIAAAは述べています。つらかった日も記録しておきましょう。数週間たつと、どんな日、どんな場所、どんな気分のときがいちばん危ないのかが、記録から見えてきます。

Guardian Angelでは、毎日を良い日難しい日として記録します。数週間たつと、ほかと比べて目立つ曜日があれば、傾向タブでその曜日に最も難しいという表示が付くことがあります。

ステップ9:睡眠、食事、運動、気分を大切にする

  • 睡眠:最初のうちは、眠りが途切れがちになることがあります。やめた後に眠れないときに役立つことを参考にしてください。
  • 食事:規則正しく食事をとり、以前お酒を飲んでいた時間帯のために、軽食を用意しておきましょう。
  • 運動:NIAAAは、欲求を乗り切る方法のひとつとして運動を挙げています。運動で渇望をやわらげる方法もご覧ください。
  • 気分:気分が落ち込んだり、不安になったりするのはよくあることです。NIAAAによると、軽い症状なら、お酒を減らしたりやめたりすると消えることがあります。続く場合や悪化する場合は、医師や心の健康の専門家に相談してください。死にたい気持ちがあるときは、すぐに医師に連絡するか、救急外来を受診してください。

ステップ10:サポートを受ける(アルコール使用障害の治療を含む)

ひとりでがんばる必要はありません。NIAAAによると、AUDのある人の大半は回復するか、大きく改善します。また、すべての人に合う治療法というものはありません。

まずは医師に相談する

医師は健康状態を確認し、計画づくりを手伝い、薬が合うかどうかを判断してくれます。飲んでいる量は正直に伝えましょう。

お酒をやめるための薬

米国ではAUDの治療薬として3つの薬が承認されており、NHSも同じ3つを挙げています。どれにも依存性はありません。

  • ナルトレキソン(飲み薬または注射)は、飲みたい気持ちを抑えるのに役立ちます。
  • アカンプロサートは、やめた後に一部の人が感じる不快感をやわらげることで、やめた状態を保つ助けになります。
  • ジスルフィラムは、お酒を飲むと不快な症状を引き起こします。

118件の試験をまとめた2023年のレビューは、カウンセリングと並行して使う第一選択薬として、アカンプロサートとナルトレキソンの飲み薬を支持し、ジスルフィラムについては根拠が限られているとしました。

どれかが役立ちそうか医師にたずね、使っている薬はすべて伝えてください。ナルトレキソンはオピオイド系の鎮痛薬の効果を妨げます。ジスルフィラムは、一部の食品やせき止めシロップに含まれるような、ごく少量のアルコールにも反応します。

心理療法とカウンセリング

行動療法は、お酒をやめたり減らしたりするためのスキルを身につけ、トリガーに対処し、達成できる目標を立てる助けになります。認知行動療法(CBT)、動機づけ強化療法、カップルや家族のカウンセリングなどがあります。

自助グループ

自助グループは無料で、ミーティングは対面またはオンラインで行われています。いちばんよく知られているのはアルコホーリクス・アノニマス(AA)です。ほかにも、SMART Recovery、LifeRing、Women for Sobrietyなどがあります。

2020年のコクランレビューによると、AAへの参加を促すように設計された体系的なプログラムは、CBTなどほかの標準的な治療と比べて、多くの場合、お酒を完全にやめ続けられる人を増やしていました。最初のグループが合わないと感じたら、別のグループを試してみましょう。

もしスリップしてしまったら

何日も、何週間も飲まずにいた後に一杯飲んでしまっても、それまでの積み重ねが消えるわけではありません。NIAAAによると、つまずきはよくあることです。また飲んでしまうのは一時的な後退で、もう一度立て直すことができます。スリップが最も起こりやすいのは、ストレスがあるときや、飲酒と結びついた人や場所の近くにいるときです。

  1. 安全を確認する。大量の飲酒や毎日の飲酒に戻ってしまった場合は、離脱症状が危険なことがあるため、もう一度やめる前に医師に相談してください。
  2. 飲む直前に何があったかを書き出す。
  3. 計画を見直し、信頼できる人に伝える。
  4. 今日か明日から、もう一度始める。

スリップした後の最初の24時間にすることも読んでみてください。

よくある質問

お酒を急にきっぱりやめても安全ですか?

誰にとっても安全というわけではありません。主にリスクがあるのは、体がアルコールに依存している場合です。大量に、または毎日飲んでいる場合や、飲まずにいると手が震える、汗が出る、不安になるといった場合は、急にやめると、けいれん発作や振戦せん妄を含む重い離脱症状が起こることがあり、命に関わることもあります。まずは医師に相談してください。薬を使えば離脱をより安全に乗り切ることができ、多くの場合、自宅で行えます。

ひとりでお酒をやめられますか?

多くの場合、やめられます。離脱症状が出ない場合は特にそうです。NIAAAによると、大量に飲む人のほとんどは、アルコール使用障害のある人でも、飲む量を大きく減らしたり、やめたりすることができます。ただし、アルコール使用障害があるかもしれないと思うなら、ひとりで取り組むのではなく、サポートを受けることを勧めています。離脱症状が出る場合は、やめる前に医師に相談してください。

禁酒アプリは役に立ちますか?

飲む量を減らす助けになるかもしれません。リスクのある量を飲んでいる人を対象にした2017年のコクランレビューでは、アプリやウェブサイトなど、一人ひとりに合わせたデジタルプログラムを使った人は、支援をほとんど、またはまったく受けなかった人に比べて、1週間に飲むアルコールが約23グラム(米国の標準ドリンクで約1.5杯分)少なくなっていました。ただし、エビデンスの質は中程度で、実際の効果はもっと小さい可能性があります。アプリは医療の代わりにはなりません。もっと助けが必要なら、医師や自助グループと組み合わせて使いましょう。


お酒を飲まなかった日を、自分だけでそっと数えたいなら、Guardian Angelがお手伝いします。毎日のチェックイン、節目ごとのバッジ、つらいときのための欲求SOS画面があります。ダウンロードは無料で、記録はスマホの中だけに保存されます。

今すぐ相談できる窓口

  • 緊急のとき:身の危険があるときや急に体調が悪くなったときは、119に電話して救急車を呼んでください。お酒を減らしたりやめたりしたあとに、混乱、幻覚、けいれんが出たときも同じです。アルコールの離脱症状は危険なことがあります。
  • 死にたい気持ちがあるときや、つらくて限界なとき:#いのちSOS 0120-061-338、よりそいホットライン 0120-279-338。どちらも無料・24時間対応です。
  • お酒のことを相談したいとき:お住まいの地域の精神保健福祉センターや保健所で相談できます。近くの相談窓口や専門の医療機関は依存症対策全国センターで探せます。
  • 日本国外にいるときFind a Helplineで、国ごとの無料・秘密厳守の相談窓口を探せます。