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運動で渇望はおさまる?禁煙・禁酒の回復に役立つシンプルな運動プラン

10分のウォーキングで渇望に打ち勝てる?運動と依存症からの回復についての研究結果と、今日から誰でも始められる、やさしい運動プランを紹介します。

はい、少なくともその場では効果があります。運動で渇望(強い欲求)をやわらげる効果がいちばんよく研究されているのは、喫煙についてです。短時間の身体活動についてのレビューでは、タバコへの欲求を減らすという強いエビデンスが見つかりました。また小規模な研究では、体を動かしているあいだ、お酒を飲みたい衝動がやわらぐこともわかっています。ジムに通う必要はありません。まずは10分間の早歩きから始めてみましょう。

始める前に: 心臓の病気やそのほかの健康上の問題がある場合や、しばらく体を動かしていなかった場合は、まず医師に相談するよう英国の国民保健サービス(NHS)は勧めています。運動は欲求をやわらげることはできても、離脱症状の治療にはなりません。大量に、または毎日お酒を飲んでいる場合、急にやめるのは危険なことがあるので、やめる前に医師の助言を受けてください。やめたあとの発汗、不安、動悸は、ただの欲求ではなく離脱症状かもしれません。医師の診察を受けてください。目に見えるほどの震え、意識の混乱、幻覚、けいれん発作がある場合は、救急での治療が必要です

欲求が来たときの10分間ウォーキング

  1. 点数をつける。 今の欲求の強さに、0〜10で点数をつけます。
  2. 出かける。 外に出ましょう。外に出られないときは、階段を上り下りします。いつもお酒を飲んだり、タバコを吸ったり、買ったり、賭けたりしていた場所を避けるルートを選びましょう。
  3. 10分間、早歩きする。 NHSによると、中程度の強さとは、話すことはできても歌うことはできないくらいのペースです。
  4. 意識を向ける。 足の感覚と呼吸に注意を向けます。欲求はそこにあるままにして、行動には移しません。
  5. もう一度点数をつける。 歩く前:__/10、歩いたあと:__/10。

まだ強いままですか? それなら歩き続けるか、誰かに電話するか、もう10分待ってみましょう。空腹、怒り、孤独、疲れをともなう欲求なら、HALTのクイックチェックで、食事や休息など、もっと合った対処法が見つかるかもしれません。

運動と欲求:体を動かしているときに起こること

欲求は高まり、ピークを迎え、やがて引いていきます。多くの場合、数分のうちにおさまります(欲求がどれくらい続くのかも参考にしてください)。体を動かすと、そのピークを乗り切りやすくなります。

運動とタバコ(ニコチン)への欲求

2007年のシステマティック・レビューでは、1回の運動と運動しない場合を比べた12件の研究のすべてで、運動が役立つことがわかりました。

  • 欲求は運動中にすぐに下がり、運動後も最大50分間、低いままでした。
  • 激しい運動でも軽い運動でも効果があり、5分間のアイソメトリック運動(筋肉に力を入れて、その状態を保つ運動)でも効果がありました。
  • 4件の研究では、次の1本を吸うまでの時間が2〜3倍長くなりました。

なお、これらの研究のほぼすべてで、参加者がタバコを吸わずにいたのは、研究のための短い時間だけでした。

欲求を減らすには、ウォーキングも効果的です。タバコを吸う60人を対象にした研究では、15分間の早歩きで欲求が減りました。火のついたタバコを手に持つことで引き起こされる衝動も、そのひとつです。歩いた人たちは、次の1本を吸うまでの時間が、平均で1時間近く長くなりました。

運動とお酒への欲求

アルコールの解毒治療を終えたばかりの20人を対象にした小規模な研究では、中程度の強さで10分間自転車をこぐと、ごく軽い強さでこいだ場合に比べて、お酒を飲みたい衝動が減りました。ただし、効果が見られたのは運動しているあいだだけでした。食事をとる、友だちに電話するなど、次にすることを用意しておきましょう。

体を動かすと、なぜ役立つのでしょうか?

研究者にも、はっきりとはわかっていません。2007年のレビューによると、気がまぎれることがおもな理由ではなさそうです。ストレスがやわらぐことや、脳内の化学物質の働きが関係しているのかもしれません。運動は「天然のドーパミンブースト」と呼ばれることもありますが、その仕組みはまだ研究の途中です。やめたあと、脳の報酬系がどのようにリセットされるのかも読んでみてください。

運動と依存症からの回復:気分、睡眠、ストレスへの効果

定期的に体を動かすことは、その場の欲求を乗り切る以外にも役立ちます。

  • 不安や気分のための運動。 世界保健機関(WHO)は、定期的な身体活動によって、うつや不安の症状が軽くなるとしています。
  • 睡眠。 WHOは、よく眠れるようになることも挙げています。回復初期の睡眠についても詳しく読めます。
  • ストレス。 アルコール使用障害のある人を対象にした15件の試験をまとめた2025年のレビューでは、運動プログラムによって、ストレス、不安、うつがやわらぎました。

では、やめ続けるのにも役立つのでしょうか? これについては、研究結果が分かれています。

  • お酒については、レビューによって結論が異なります。7件の試験をまとめた2021年のレビューでは、通常の治療に運動を加えると、飲酒がわずかに減りました。一方、先ほどの2025年のレビューでは、はっきりとした減少は見られませんでした。
  • タバコについては、24件の試験をまとめたコクラン・レビューで、禁煙サポートに運動を加えると、長期的にタバコを吸わずにいられる人が増えるという明確なエビデンスは見つかりませんでした。ただし、小さな効果がある可能性は否定できません。

ですから、運動はサポートや治療と並ぶ、ひとつの手段と考えましょう。気分の落ち込みや不安が続くときは、医師やメンタルヘルスの専門家に相談してください。

ジム不要:週ごとのはじめての運動プラン

この回復のための運動プランは、あえて小さく始めます。WHOは1週間に少なくとも150分の中程度の身体活動を勧めていますが、少しでも体を動かすほうが、まったく動かないよりよいともしています。NHSはさらに、週に2日以上、筋力をつける運動をすることを勧めています。

時期 やること 1週間の合計
1〜2週目 10分のウォーキングを3回。欲求が来たときのウォーキングもプラス 約30分
3〜4週目 20分のウォーキングを3回 約60分
5〜8週目 20〜30分の運動を4〜5回:ウォーキング、サイクリング、水泳、ダンスのどれか 80〜150分
9週目以降 ウォーキングを続けながら、週2日は筋力をつける動き(スクワット、壁を使った腕立て伏せ)を加える 150分以上
  • 1日休んでしまったら? 翌日からまた始めましょう。1回歩けなかったからといって、それまでに歩いた分がなくなるわけではありません。
  • 記録する。 カレンダーや、Guardian Angelの毎日のチェックインのメモに「歩いた」と書いておきましょう。数週間たったら振り返ってみてください。歩いた次の日は、楽に過ごせていましたか? アプリの学ぶタブにある回復のヒントには、「運動は薬」という記事もあります。

体を動かしにくいとき、元気が出ないときの選択肢

歩かなくても、がんばって体を追い込まなくてもかまいません。喫煙についての研究では、軽い運動や短時間の運動でも効果がありました。

  • 座ったままできる動き。 しっかりした椅子に座って、足踏みをしたり、腕を回したり、肩を回したりしましょう。
  • アイソメトリック運動で力を保つ。 手のひらどうしを強く押し合わせ、息を止めずにそのまま保ってから、力を抜きます。これを5分間くり返しましょう。心臓の病気や高血圧がある場合は、先に医師に相談してください。
  • ふだんの生活の中の動き。 掃き掃除、庭仕事、洗濯物を運ぶことも、どれも役に立ちます。
  • 元気が出ない日。 家の前の通りの端まで行って戻ってくるだけの5分間でも、ちゃんと運動になります。

痛み、病気、障害のために体を動かすのが難しい場合は、安全にできる動きについて、医師や理学療法士に相談してください。

回復中の運動:やめられない行動を、別のやめられない行動に置き換えないために

体をよく動かすのは、たいていは良いことです。でも人によっては、運動が新たな「やめられない行動」になってしまうことがあります。運動依存についての研究のレビューでは、運動依存を「運動をコントロールできなくなった状態」と説明し、次のようなサインを挙げています。

  • 運動が生活の中でいちばん大切なものになっている。
  • 気持ちに対処するおもな方法が、運動になっている。
  • 運動を減らすと、イライラしたり、落ち込んだり、不安になったりする。
  • 体の不調や、仕事や家族とのトラブルがあっても、運動を続けてしまう。

このレビューでは、摂食障害やボディイメージの問題が、リスクの高さと関連しているとされています。こうしたサインに心当たりがある場合や、運動が食べ物、体重、体型についての悩みと結びついている場合は、医師やカウンセラーに相談してください。休息日をあらかじめ予定に入れ、友だちに電話するなど、運動以外の対処法も持っておきましょう。

よくある質問

運動は依存症に効果がありますか?

部分的には効果があります。短時間の運動はその場のタバコへの欲求を減らし、定期的な運動はうつや不安の症状をやわらげます。ただし、飲酒を減らすかどうかについてはレビューによって結論が異なり、長期的にタバコを吸わずにいられる人を増やすという結果も得られていません。ですから、ほかのサポートと組み合わせましょう。

運動はお酒への欲求に効きますか?

効く可能性はありますが、エビデンスはまだ少ないのが現状です。解毒治療を終えたばかりの人を対象にした小規模な研究では、中程度の強さで10分間自転車をこぐと、お酒を飲みたい衝動がやわらぎました。ただし、その効果は運動しているあいだだけでした。

欲求をやわらげるには、どのくらい運動すればいいですか?

それほど多くなくてかまいません。研究では、5分間のアイソメトリック運動、10分間の自転車こぎ、15分間の早歩きのどれでも、欲求がやわらぎました。喫煙についての研究では、軽い運動でも激しい運動でも効果があったので、走る必要はありません。


次に欲求が来たときのウォーキング用にタイマーがほしいなら、Guardian Angel欲求SOSを使ってみてください。10分間のやり過ごすタイマーと、呼吸のペースを案内するガイドがあります。ダウンロードは無料で、記録はスマホの中だけに保存されます。

今すぐ相談できる窓口

  • 緊急のとき:身の危険があるときや急に体調が悪くなったときは、119に電話して救急車を呼んでください。お酒や薬物をやめたあとに、混乱、幻覚、けいれんが出たときも同じです。
  • 死にたい気持ちがあるときや、つらくて限界なとき:#いのちSOS 0120-061-338、よりそいホットライン 0120-279-338。どちらも無料・24時間対応です。
  • お酒や薬物のこと:地域の精神保健福祉センターや保健所で相談できます。窓口は依存症対策全国センターで探せます。
  • たばこのこと:かかりつけ医や禁煙外来へ。条件を満たせば、健康保険で禁煙治療を受けられます。
  • ギャンブルのこと:地域の精神保健福祉センターのほか、ギャンブル依存症予防回復支援センター 0120-683-705(無料・24時間)でも相談できます。
  • 日本国外にいるときFind a Helplineで、国ごとの無料・秘密厳守の相談窓口を探せます。