ブログに戻る

ブログ

禁酒・断酒で眠れない?回復初期の不眠の原因と、よく眠るための対処法

禁酒・断酒のあと眠れないのはなぜ?回復初期に不眠や生々しい夢が起こる理由、続く期間、今夜からよく眠るための根拠ある方法を紹介します。

お酒をやめて(禁酒・断酒して)眠れないのは、多くの場合、脳がお酒のない状態に慣れ直している途中だからです。いちばんつらい時期は数週間で過ぎることが多いですが、大量に飲んでいた場合は数か月かかることもあります。アルコールは眠気を誘う一方で、眠りを途切れさせます。そのため体は、お酒なしで眠ることを覚え直す必要があるのです。不眠が長引く場合に勧められている治療は、短期間の心理療法であるCBT-I(不眠症の認知行動療法)です。寝酒や、処方されていない薬ではありません。

大量に、または毎日お酒を飲んでいるなら、やめる前に医師に相談してください。 アルコールの離脱症状は危険な場合があります。英国の国民保健サービス(NHS)は、そのサインとして、眠れない、震え、発汗、脈が速くなる、意識の混乱、幻覚、けいれん発作を挙げています。すでにやめていて、こうしたサインがあるなら、今日のうちに医師の助言を受けてください。目に見えるほどの震え、意識の混乱、実際にはないものが見える、けいれん発作は緊急事態です。お住まいの地域の緊急通報番号に電話してください。

禁酒すると眠れなくなる理由

健康な成人を対象にした、アルコールと睡眠の研究のレビューによると、アルコールを飲むと寝つきは早くなりますが、夜の後半の眠りは途切れやすくなります。また、中程度以上の量では、レム睡眠も減ります。

ほぼ毎晩飲んでいたなら、脳はその状態に慣れています。米国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)が発行したレビューによると、大量に飲む人は、アルコールの眠気を誘う作用に耐性ができていきます。お酒をやめると、寝つくまでに時間がかかることが多く、睡眠時間も短くなります。レム睡眠も戻ってきて、ときにはふだんより多くなります。これを「レムリバウンド」と呼びます。

レム睡眠は、夢と最も関係の深い睡眠の段階です。お酒をやめたあと、夢がやけに生々しく感じられたり、奇妙だったりするのは、これが理由のひとつです。お酒を飲む夢を見ることもあります。そんな夢を見ても、スリップ(再飲酒)したことにはなりません。

睡眠は、お酒をやめたあとの体の回復の一部です。

禁煙や大麻をやめたあとの不眠

タバコの離脱症状大麻の離脱症状についてのレビューでは、どちらも睡眠の悪化が主な症状のひとつに挙げられています。

やめたもの よくある睡眠の変化 続く期間のおおよその目安
お酒 寝つけない、眠りが続かない、生々しい夢 数週間。大量に飲んでいた場合はもっと長い
ニコチン 不眠、夢が増えることも 1週目がピークで、2〜4週間続く
大麻 不眠、奇妙な夢 2〜6日目がピーク。睡眠が落ち着くまで数週間かかることも

禁酒後の不眠:おおまかなタイムライン

  • 最初の数日:NHSによると、離脱症状はふつう3〜7日間続きますが、一部の症状は数か月続くこともあります。大量に飲んでいた場合は特にそうです。
  • 最初の数週間:アルコールの治療を受けている人を対象にした、小規模で古い研究では、不眠はおよそ5週間続きました。最初の1か月を週ごとに見たガイドを参考に、あらかじめ備えておきましょう。
  • 数か月〜数年:何年も大量に飲んでいた人では、睡眠検査で、1〜3年後にも眠りがある程度途切れていることがわかっています。それでも、初期の睡眠の問題の多くは、お酒を飲まない期間が長くなるほど落ち着いていきます。

今夜からできる、眠る前のシンプルな習慣

不眠症についてのNHSのアドバイスをもとにまとめました。

  1. まず明日のアラームをセットする。 よく眠れなかった夜のあとでも、同じ時間に起きましょう。
  2. カフェインは早めにやめる。 NHSは、寝る前の6時間はお茶やコーヒーを飲まないよう勧めています。
  3. 1時間かけて気持ちを落ち着ける。 お風呂、読書、静かな音楽などがおすすめです。スマホは離れた場所に置きましょう。
  4. 部屋を暗く、静かにする。 遮光カーテン、アイマスク、耳栓が役立ちます。
  5. 以前飲んでいた時間を別のことで埋める。 麦茶やハーブティーなどカフェインの入っていないお茶をいれたり、落ち着いてできる趣味を始めたりしましょう。

こうした「睡眠衛生」の習慣は役に立ちますが、長引く不眠に対して、睡眠の専門家はこれだけで対処することを勧めていません。

回復中に役立つCBT-I(不眠症の認知行動療法)のテクニック

不眠症の認知行動療法(CBT-I)は、長く続く不眠に対する第一選択の治療で、米国睡眠医学会(AASM)も強く推奨しています。ふつうは睡眠日誌をもとに、4〜8回のセッションで進めます。

大量に飲む成人や、アルコール使用障害のある成人を対象にした8件の試験をまとめた2025年のメタ分析では、CBT-Iによって不眠がはっきりと改善し、その効果は6か月後も続いていました。ただし、飲酒への効果ははっきりしなかったので、ほかのサポートと組み合わせましょう。

中心となるテクニックのひとつ、「刺激制御法」を試してみましょう。

  • 眠くなったときだけ寝床に入る。
  • 眠れないときは一度起きて、静かなことをして過ごし、眠くなったら寝床に戻る。
  • 寝床は、眠ることと性行為のためだけに使う。スマホを見る、テレビを見る、仕事をするのはやめる。
  • 週末も含めて、毎日同じ時間に起きる。
  • 昼寝はしない。

効果はゆっくり現れます。毎朝、睡眠日誌をつけ始めましょう。

  • 寝床に入った時刻 _、眠りについた時刻 _ごろ
  • 夜中に目が覚めた回数 _回、起きた時刻 _
  • 睡眠の質(1〜5):___
  • カフェイン、昼寝、欲求:___

だいたいの記録でかまいません。専門家が「睡眠制限法」を加えることもあります。寝床にいる時間を実際に眠れている時間に合わせ、そこから少しずつ延ばしていく方法です。CBT-Iについては医師に相談してみましょう。NHSによると、対面でもオンラインでも受けられます。

避けたいこと:寝酒、処方されていない睡眠薬、遅い時間のカフェイン

  • 寝酒:寝る前の一杯は、夜の後半に眠りが途切れる状態を呼び戻します。さらに耐性ができるので、効き目はだんだん弱くなっていきます。
  • 処方されていない睡眠薬や睡眠改善薬:ほかの人の薬を飲んだり、眠るためにお酒の代わりに大麻を使ったりするのはやめましょう。NHSによると、睡眠薬は依存を招くことがあり、薬局で買える睡眠改善薬は1〜2週間だけ使うものです。まず医師か薬剤師に相談し、回復に取り組んでいる最中であることも伝えてください。
  • 遅い時間のカフェイン:タバコをやめたばかりなら特に注意しましょう。タバコを多く吸う人を対象にした小規模な研究では、禁煙から数日のうちに、体からカフェインを取り除く力が約3分の1低下しました。そのため、コーヒーの作用が長く残ることがあります。

眠れない夜と欲求の関係

アルコール依存の治療を受けている人を対象にした小規模な研究では、約5か月の追跡期間中に再び飲酒したのは、不眠がある人では60%、不眠がない人では30%でした。これは関連を示すもので、因果関係の証明ではありません。そして不眠は治療できるので、下げることのできるリスクです。

「疲れ(Tired)」は、HALT(空腹・怒り・孤独・疲れ)のTです。よく眠れなかった夜のあとは、次のことを心がけましょう。

  • 夜は楽に過ごせるよう計画する。食事を用意しておき、大きな決断はしない。
  • 体を動かすのは早い時間にする。NHSは日中の運動を勧めていますが、寝る前の4時間は避けるよう助言しています。運動で欲求をやわらげる方法も参考にしてください。
  • 眠気を感じるときは運転しない。

Guardian Angelを使っているなら、毎日のチェックインで、その夜どう眠れたかを書き留めておきましょう。数週間たつと、よく眠れなかった夜のあとに難しい日が来ていないかが見えてくるかもしれません。

回復初期の睡眠について、医師に相談したほうがよいとき

次のような場合は、医師に相談してください。

  • 睡眠の習慣を変えても良くならない、または何か月も眠れない状態が続いている
  • 疲れのせいで、日常生活をこなすことや、安全に運転することが難しい
  • いびきが大きい、または寝ているあいだに呼吸が止まったり再開したりしているとだれかに言われた(睡眠時無呼吸症候群のサインの可能性があります)
  • 気分が落ち込む、不安が強い、絶望的な気持ちになる。不安やうつは不眠のよくある原因で、専門家はどちらにも力になれます

よくある質問

お酒をやめたのに、なぜ眠れないのですか?

アルコールは鎮静作用で眠りに誘いますが、夜の後半の眠りを乱します。また、習慣的に飲んでいると、脳はアルコールに頼るようになります。お酒がなくなると、睡眠はバランスを取り直す必要があり、その間は寝つきが悪い、夜中に目が覚める、生々しい夢を見る、といったことがよく起こります。

禁酒後の不眠はどれくらい続きますか?

数週間のことが多く、小規模で古い研究では約5週間でした。何年も大量に飲んでいた場合、睡眠の変化の一部が数か月以上続くこともありますが、多くはお酒を飲まない期間が長くなるにつれてやわらいでいきます。睡眠不足が日常生活に影響している場合や、震えや発汗をともなう場合は、医師の診察を受けてください。

やめてから、なぜ生々しい夢を見るのですか?

アルコールは、夢と最も関係の深い睡眠段階であるレム睡眠を抑えます。そのため、やめるとレム睡眠がリバウンドすることがあります。ニコチンや大麻をやめたときにも、夢が増えたり、奇妙な夢を見たりすることがあります。お酒を飲む夢を見ても、スリップではありません。

大麻をやめてから眠れないのはなぜですか?

眠れないことや奇妙な夢は、大麻の離脱症状としてよく見られます。ほとんどの症状は最初の1週間でピークを迎えますが、睡眠の問題は数週間以上続くこともあります。CBT-Iの習慣が役立つかもしれませんが、大麻についての研究はまだ多くありません。


夜の眠りと毎日の様子を、だれにも見られずに記録したいなら、Guardian Angelを使ってみてください。どんな習慣でも毎日チェックインでき、回復のヒントでは睡眠についての短い記事も読めます。ダウンロードは無料で、記録はスマホの中だけに保存されます。

今すぐ相談できる窓口

  • 緊急のとき:身の危険があるときや急に体調が悪くなったときは、119に電話して救急車を呼んでください。お酒を減らしたりやめたりしたあとに、混乱、幻覚、けいれんが出たときも同じです。アルコールの離脱症状は危険なことがあります。
  • 死にたい気持ちがあるときや、つらくて限界なとき:#いのちSOS 0120-061-338、よりそいホットライン 0120-279-338。どちらも無料・24時間対応です。
  • お酒のことを相談したいとき:お住まいの地域の精神保健福祉センターや保健所で相談できます。近くの相談窓口や専門の医療機関は依存症対策全国センターで探せます。
  • 日本国外にいるときFind a Helplineで、国ごとの無料・秘密厳守の相談窓口を探せます。