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再発予防プランの書き方:禁酒・禁煙・ギャンブルに使える無料テンプレートと記入例

禁酒・禁煙・ギャンブルの再発を防ぐプランを1枚に。警告サイン、トリガー、対処法、支えてくれる人を書き込む無料テンプレートと記入例を紹介します。

再発予防プランは、お酒やタバコ、電子タバコ、ギャンブルなどの習慣をやめたあと、その状態を保っていくために書いておく1枚の計画です。やめたい理由、警告サイン、リスクの高い状況、対処の方法、支えてくれる人、そしてスリップ(つい手を出してしまうこと)したときにすることをまとめます。気持ちが落ち着いている日に、下のテンプレートと記入例を使って、自分のプランを書いてみましょう。

まずは安全のために。お酒をたくさん、または毎日飲んでいる場合は、やめる前に医師に相談してください。英国の国民保健サービス(NHS)によると、体がアルコールに依存している状態で急にやめると、とても危険な場合があります。離脱症状として、汗が出たり、手が震えたりすることがあります。激しい震え、混乱、幻覚、けいれん発作がある場合は、救急での治療が必要です。

再発予防プランを書き出しておくと役立つ理由

アラン・マーラットの再発予防モデルでは、スリップするかどうかを決めるのは危険な瞬間そのものではなく、そのときの反応だと考えます。その場を離れるといった対処法を使える人は、再発しにくくなります。

欲求が高まっているさなかに、計画を一から考えるのは難しいものです。書き出しておけば、「こうしたい」という思いが、「もし〜なら、〜する」という具体的な手順に変わります。たとえば、「もし給料日なら、まっすぐ家に帰る」。21件の試験をまとめた2020年のメタ分析では、こうしたプランで飲酒や喫煙がわずかに減ることがわかりました。対象は主に学生や一般の人たちです。

プランは、ほかのサポートと組み合わせたときにいちばん力を発揮します。タバコについては、2019年のコクランレビューで、治療を受けて禁煙した人の再発を防ぐうえで、対処スキルを身につけるプログラムにはほとんど効果がなかった一方、バレニクリンという薬を長めに使うことは役に立ったと報告されています。薬が自分に合うかどうかは、医師や薬剤師に相談してください。

再発の3つの段階:感情的再発・精神的再発・身体的再発

2015年の臨床論文は、再発を、最初の1杯や薬物の使用より数週間から数か月も前に始まることがある、ゆるやかなプロセスだと説明しています。段階は次の3つです。

段階 どんな様子か 使うプランの項目
感情的再発 気持ちをため込む、人を避ける、睡眠や食事が乱れる 警告サイン
精神的再発 欲求、自分との駆け引き、昔を美化する、うそをつく 理由、対処、支えてくれる人
身体的再発 また手を出す スリップしたら

この論文によると、回復の初期に「また使いたい」という考えが一瞬よぎるのは普通のことです。警告サインになるのは、その考えが浮かぶ回数が増えたり、しつこく感じられるようになったりしたときです。研究者の中には、身体的再発を、スリップ(最初の1杯や1回の使用)と再発(コントロールできない使用に戻ること)に分けて考える人もいます。

再発予防プランの書き方:6つの項目

1. 自分の理由

具体的な理由を3つ、自分の言葉で書きましょう。「健康のため」よりも、「子どもに絵本を読んであげた夜のことを、ちゃんと覚えていたい」のほうが心に響きます。欲求が「1回だけなら」とささやいてきたとき、その理由が答えになります。今すぐ得られる一時的な楽さと、明日払うことになる代償を比べてみるのです。

2. 再発の警告サイン

警告サインとは、スリップの前に表れる小さな変化のことです。広く使われているテレンス・ゴースキーのモデルでは、37のサインが挙げられています。アルコールの問題で治療を始めた122人を対象にした研究では、こうしたサインを多く報告した人ほど、その後の数か月で再び飲んだり、大量に飲んだりしやすいことがわかりました。

自分に当てはまるものを3〜5個選びましょう。たとえば次のようなものです。

  • よく眠れない、食事を抜く
  • 人にきつく当たる、または気持ちを自分の中にため込む
  • ミーティングや電話、毎日の記録を休みがちになる
  • 昔を懐かしむ、「1回くらいなら大丈夫」と考える
  • ちょっとした隠しごとをする

3. リスクの高い状況

スリップしやすくなる人、場所、時間、気持ちを書き出しましょう。マーラットの研究では、再発の半数以上が嫌な気分や人との衝突をきっかけに起き、20%以上には周りからのプレッシャーが関わっていました。「お客さんが来たときのために」とお酒を買っておくような、自分をスリップに近づける選択にも気をつけましょう。

まずは1週間の記録で自分のトリガーを見つける方法から始めて、次に週末や夜、給料日がつらくなりやすい理由も読んでみてください。

4. 対処の行動

対処法は「もし〜なら、〜する」の形で書きます。たとえば、「もし仕事のあとに飲みたくなったら、10分のタイマーをセットする」。再発を防ぐための方法は、いくつも書いておきましょう。禁煙中の61人を対象にした研究では、使った対処法が多い人ほど衝動に負けずにすみ、どれか1つの方法がほかより優れているということはありませんでした。

5. 支えてくれる人と相談窓口

電話やメッセージができる人を2〜3人、電話番号と一緒に書いておきましょう。医師、カウンセラー、スポンサー(自助グループで支えてくれる先輩メンバー)、あるいはAA(アルコホーリクス・アノニマス)、SMART Recovery、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)といったグループも加えます。

すぐに送れるメッセージも用意しておきましょう。「今夜はちょっとつらくて。10分だけ話せる?」。下の「今すぐ相談できる窓口」から、相談窓口も1つ書き加えておきます。

6. スリップしたら

マーラットの考え方では、スリップしたときの手順を書いておくことは「非常時への備え」、いわば防災セットのようなものです。たとえば、次のような手順です。

  1. 手を止めて、安全な場所に移る。
  2. 手に入らないようにする:お酒は流しに捨てる、電子タバコは処分する、賭けのアプリからはログアウトする。
  3. 項目5に書いた人の誰か1人に伝える。
  4. 何か食べて、水を飲んで、眠る。今夜は大きな決断をしない。
  5. 翌日、自分を責めずに振り返り、このプランを見直す。

スリップが何日も続く大量飲酒になってしまったら、もう一度やめる前に医師に相談してください。冒頭の安全についての注意に書いたサインがある場合は、救急での助けを求めてください。

過剰摂取(オーバードーズ)のリスク米国国立薬物乱用研究所(NIDA)は、薬物によっては、しばらく使っていなかったあとに以前と同じ量を使うと、簡単に過剰摂取を起こしうると警告しています。オピオイドについては、世界保健機関(WHO)によると、ナロキソンを間に合ううちに投与すれば、死亡を防ぐことができます。

スリップは1つの出来事であって、これまでの歩みが終わったわけではありません。スリップしてから最初の24時間にすることも読んでみてください。NIDAは、再発は治療の再開や見直しについて医師と話し合うサインだとも述べています。

再発予防プランの記入例:お酒、電子タバコ、スポーツベッティング

ここで紹介する例は架空のものです。

お酒:仕事帰りの一杯をやめるための禁酒プラン

  • 理由:よく眠れるようになる。もうお酒の瓶を隠さなくていい。子どもといる時間を、ちゃんと味わいたい。
  • 警告サイン:夕食を抜く、パートナーにきつく当たる、「1杯くらい平気」と思う。
  • リスクの高い状況:金曜の夜、職場の飲み会、口げんか。
  • 対処:もし金曜の午後5時になったら、ジムに行く。
  • 支え:姉、かかりつけ医、断酒会の例会。
  • スリップしたら:お酒を流しに捨て、姉にメッセージを送り、何か食べて、翌日に振り返る。

電子タバコ:同じテンプレートが禁煙プランにも使える

  • 理由:お金が貯まる。朝起きた瞬間に吸いたくならない。自分で自分をコントロールできている感覚。
  • 警告サイン:「ポッド1個だけ」という考え、ピリピリした気分。
  • リスクの高い状況:仕事の休憩、車での帰り道、ストレスの多い日。
  • 対処:もし休憩時間になったら、会社のまわりをひと回り歩く。
  • 支え:やめることができた友人と、ニコチン置換療法について相談できる薬剤師。
  • スリップしたら:処分して、買い足さず、友人に話す。

もともとタバコを吸っていた人に向けて、スコットランドの公的な健康情報サイトNHS Informは、電子タバコをやめると、また紙巻きタバコを吸いたくなることがあると注意を促しています。そのうえで、タバコを吸わずにいられる自信がついてから電子タバコをやめるよう勧めています。

スポーツベッティング:ギャンブルの再発予防

自分に問題があるのかどうかわからないときは、スポーツベッティングのセルフチェックを試してみてください。

  • 理由:カードの借金を返す。また純粋に試合を楽しみたい。お金のことでもう、うそをつかない。
  • 警告サイン:「見るだけ」とオッズをチェックする、アプリを入れ直す、負けを取り返したくなる。
  • リスクの高い状況:大きな試合、給料日、ひとりで退屈しているとき。
  • 対処:もしオッズをチェックしてしまったら、パートナーにメッセージを送る。さらに、NHSが勧めるような、賭けにくくする仕組みも用意する:自己排除(自分から利用停止を申し込む制度。英国ではGamStop)、銀行のギャンブル決済ブロック、給料日に支払いを済ませること。
  • 支え:パートナーと、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)のミーティング。
  • スリップしたら:ログアウトして、パートナーに話し、負けを取り返そうとしない。

再発予防プランのテンプレートと見直しのタイミング

この再発予防ワークシート(1枚にまとまる回復プランのテンプレート)を、メモアプリに書き写すか、印刷して使ってください。

  • 自分の理由:1. ____ 2. ____ 3. ____
  • 自分の警告サイン:1. ____ 2. ____ 3. ____
  • リスクの高い状況(人、場所、時間、気持ち):____
  • 対処の行動:もし____なら、____する。もし____なら、____する。
  • 支えてくれる人:____(電話番号:____)、____(電話番号:____)
  • 相談窓口:____
  • スリップしたら、こうする:____。そして自分にこう言い聞かせる:「____」

見直しは、次のようなシンプルなペースがおすすめです。

  • 最初の数週間は、毎朝読み返す。
  • 最初の1か月は毎週、そのあとは毎月、内容を更新する。
  • スリップしたとき、引っ越しのような大きな変化があったとき、そして年末年始や連休の前にも見直す。

Guardian Angelでは、毎日の記録に添えるメモに自分の理由を書いておけます(Premiumなら1,000文字まで)。数週間たつと、傾向最も難しい曜日を示してくれることもあり、項目3の参考になります。

よくある質問

再発予防プランには何を書けばよいですか?

次の6つです。自分の理由、警告サイン、リスクの高い状況、「もし〜なら、〜する」の形の対処法、支えてくれる人と相談窓口、そしてスリップしたときにすること。1枚に収めましょう。医師やカウンセラー、グループと共有し、気分の落ち込みや不安、絶望感が出てきたら、専門家の助けを受けてください。

再発の3つの段階とは何ですか?

感情的再発、精神的再発、身体的再発の3つです。感情的再発では、使うつもりはなくても、自分をいたわることがおろそかになっていきます。精神的再発では、心のどこかで使いたいと思っています。身体的再発は、また手を出してしまうことです。最初のスリップが本格的な再発につながらないよう、早めに動きましょう。

よくある再発の警告サインは何ですか?

よく眠れない、食事を抜く、人を避ける、イライラする、以前の使用を懐かしむ、小さなうそをつく、といったものが代表的です。サインは人によって違うので、自分に最初に表れるものをいくつか書き出しておきましょう。

ギャンブルや電子タバコにも再発予防プランは使えますか?

はい。同じプランが使えます。変わるのは細かい中身だけです。ギャンブルの場合は、自己排除や銀行のギャンブル決済ブロックといった、賭けにくくする仕組みを加えましょう。電子タバコやタバコの場合は、ニコチン置換療法やほかの薬が役立つかどうか、医師や薬剤師に相談してください。


毎日少しだけ立ち止まって、警告サインに早めに気づきたいなら、Guardian Angelが役に立ちます。お酒をはじめ、どんな習慣でも、毎日良い日難しい日かを記録して、短いメモを添えられます。ダウンロードは無料で、記録はお使いのスマホの中だけに保存されます。

今すぐ相談できる窓口

  • 緊急のとき:身の危険があるときや急に体調が悪くなったときは、119に電話して救急車を呼んでください。お酒や薬物をやめたあとに、混乱、幻覚、けいれんが出たときも同じです。
  • 死にたい気持ちがあるときや、つらくて限界なとき:#いのちSOS 0120-061-338、よりそいホットライン 0120-279-338。どちらも無料・24時間対応です。
  • お酒や薬物のこと:地域の精神保健福祉センターや保健所で相談できます。窓口は依存症対策全国センターで探せます。
  • たばこのこと:かかりつけ医や禁煙外来へ。条件を満たせば、健康保険で禁煙治療を受けられます。
  • ギャンブルのこと:地域の精神保健福祉センターのほか、ギャンブル依存症予防回復支援センター 0120-683-705(無料・24時間)でも相談できます。
  • 日本国外にいるときFind a Helplineで、国ごとの無料・秘密厳守の相談窓口を探せます。