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習慣の記録は本当に効果がある? ハビットトラッカーとセルフモニタリングについて研究でわかっていること
習慣を記録すると、本当に変われるの? セルフモニタリングの研究からわかった効果の理由、逆効果になるとき、上手な記録のしかたを紹介します。
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習慣を記録すること(ハビットトラッキング)には、平均すると確かに効果があります。138件の実験をまとめた2016年のレビューでは、自分の進み具合をチェックしていた人のほうが目標を達成しやすく、特にそれを書き留めたり、ほかの人と共有したりした場合に、その傾向が強いことがわかりました。
ただし、記録は魔法ではありません。効果が生まれるのは、気づきとフィードバックを通してです。そして記録が「失敗するのが怖いテスト」のようになってしまうと、逆効果になることもあります。
習慣の記録に効果はある? 研究でわかったこと
セルフモニタリング(自分の行動を記録して確かめること)と行動の変化について、特に注目したいレビューが3つあります。
| 研究 | 対象 | わかったこと |
|---|---|---|
| 2016年のレビュー | 138件の実験、2万人近く | 進み具合をチェックすると、目標を達成しやすくなった |
| 2009年のレビュー | 食事と運動の122のプログラム | 記録は、目標やフィードバックと組み合わせたときに最も効果があった |
| 2011年のレビュー | 減量に関する22件の研究 | 記録をよくつけている人ほど、体重が減っていた |
2016年のレビューでは、効果は確かにあったものの、大きくはありませんでした。
2009年のレビューでは、一部のプログラムがほかより効果的だった理由を最もよく説明していたのが、セルフモニタリングでした。
減量についてのレビューでも、この関連はくり返し見られました。ただし著者たちは、根拠の確かさは低いと評価しています。記録をつけていたかどうかは本人の申告によるもので、ほとんどの研究の参加者は主に白人女性だったためです。
このうち2つのレビューが扱っているのは食事、運動、体重で、依存症ではありません。それでもセルフモニタリングは、再発予防でも中心となる方法のひとつです。
なぜ習慣を記録するのか:気づき、フィードバック、報告する相手
習慣の記録が効く心のしくみは、3つにまとめられます。
気づき:見えていないパターンは変えられません。心理学者のG・アラン・マーラットの再発予防モデルでは、飲酒や飲みたい衝動と結びついた状況、感情、人の記録をつけます。
この記録があると、トリガー(欲求の引き金)を見つけやすくなります。お酒をやめた後も、どんな状況で飲みたい衝動がいちばん起こりやすいかを教えてくれます。
フィードバック:記録は、今の自分となりたい自分とのあいだの差を見せてくれます。記録が目標と組み合わせたときによく効くのは、そのためです。数字には、比べる基準が必要なのです。
報告する相手:2016年のレビューでは、進み具合をほかの人に報告したり、公にしたりしたときに、チェックの効果がより大きくなりました。信頼できる1人に、1週間のまとめを伝えるだけでもかまいません。
習慣の記録が逆効果になるとき
- 完璧主義:悪い日が1日あっただけで記録全体が台無しに感じられると、記録がいちばん役に立つはずのときに、記録をやめてしまうかもしれません。難しい日は、あなたへの判決ではなく、ひとつの情報です。
- 途切れた連続記録:連続記録はやる気のもとになりますが、途切れると、すべて投げ出したくなることがあります。7つの研究では、実際の行動が同じでも、記録に途切れた連続記録が表示されていると、人はその習慣を続けにくくなっていました。自分を責めた場合は、特にその傾向が強く表れました。前進は、良い日の割合など、記録全体で判断しましょう。スリップした後に連続記録をリセットすべきかどうかも参考にしてください。
- 記録する項目が多すぎる:減量の研究では、時間がたつにつれて記録がおろそかになっていくことがよくありました。毎日10個の項目を記録するのは、1個だけ記録するより続けにくいものです。
- 食事や体の記録:大学生493人を対象にした2017年の調査では、カロリー計算アプリやフィットネストラッカーの利用が、摂食障害の症状の多さと結びついていました。ただし、この調査から因果関係まではわかりません。食事、体重、運動の記録で不安になったり、こだわりが強くなりすぎたりするなら、記録をやめて、医師やメンタルヘルスの専門家に相談してください。
「習慣は21日で身につく」は迷信? 66日という研究結果
習慣の研究者による2012年の論文によると、「習慣は21日で身につく」という考えは、整形手術を受けた患者が3週間ほどで新しい見た目に慣れたという逸話から来ているようです。
66日という数字は、2010年の研究から来ています。この研究では、参加者がそれぞれ、食事、水を飲むこと、運動のいずれかについて、毎日の習慣を12週間かけて身につけていきました。2024年のシステマティックレビューは、その結果を次のようにまとめています。
- 中央値:習慣の自動化がほぼ頭打ちになるまで66日
- 範囲:18〜254日。12週間を超える日数は、一人ひとりの変化の傾向から推計したもの
このレビューに含まれる20件の研究のうち、習慣が身につくまでの期間を測っていたのは4件だけでした。それらをもとに著者たちは、少なくとも2〜5か月を見込んでおくよう勧めています。ただし、個人差は大きいとしています。うれしいことに、2010年の研究では、1日やり忘れても、大きく後戻りすることはありませんでした。
習慣をやめる場合は、話が別です。依存性のある習慣が薄れるまでにどれくらいかかるかについて、信頼できる数字はありません。やめた後も、欲求が出てくることがあります。それはよくあることで、記録を見れば、欲求の頻度が減ってきているかどうかがわかります。
上手に記録を続けるためのルール
- 毎日チェックインする。寝る前など、時間を決めておきましょう。習慣の研究者たちは、簡単なチェック表でも役に立つとしています。
- 正直に記録する。よく見せようと手を加えた記録からは、何も学べません。
- 悪い日も記録する。どこにいたか、誰と一緒だったか、どんな気持ちだったかを1行書き添えましょう。つらい日のためのジャーナリングのお題も役に立ちます。
- 週に1回振り返る。良い日は何日ありましたか? いちばんつらかったのはどの日で、その前に何がありましたか? 来週は何を試しますか? リスクの高い曜日や時間帯の見つけ方も紹介しています。
- シンプルにする。記録する項目は、1つの習慣につき1〜2個で十分です。
- パターンが見えるまで待つ。金曜日が1回つらかっただけなら、それはヒントにすぎません。何週間も金曜日がつらいままなら、金曜日のための対策を立てましょう。
紙と習慣化アプリ、どちらで記録する?
どちらでも効果は期待できます。米国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)の飲酒量を減らすためのヒントでは、財布に入れたカード、カレンダーへのチェックマーク、紙やスマホのメモなど、自分に合った方法で記録することを勧めています。どれを選ぶにしても、書き留めることが大切です。
| 大事なポイント | 紙 | アプリ |
|---|---|---|
| 始めるのに必要なもの | ペンとカレンダー | ダウンロードするだけ |
| リマインダー | 自分しだい | 機能として付いていることが多い |
| パターンを見つける | 自分の手で | まとめて見せてくれることが多い |
| プライバシー | 引き出しにしまっておける | アプリによる |
たとえばGuardian Angelでは、毎日良い日か難しい日かを選んでチェックインし、必要ならメモも添えられます。傾向はチェックインが7回に達してから表示され、信頼度も示されるので、数日分の結果を深読みしすぎずにすみます。ほかのアプリと比べているなら、禁酒・断酒カウンターアプリを選ぶときのポイントも参考にしてください。
よくある質問
習慣を記録すると、本当に効果がありますか?
はい、平均すると効果があります。138件の実験をまとめたレビューでは、進み具合をチェックすると目標を達成しやすくなり、特にそれを記録したり人と共有したりした場合に、その傾向が強いことがわかりました。効果は大きくはなく、記録は明確な目標と組み合わせたときに最もよく働きます。
習慣をやめるには、どれくらいかかりますか?
信頼できる数字はありません。研究の多くが測っているのは、新しい習慣が身につくまでの期間です。よく知られたある研究では、中央値は66日で、範囲は18〜254日でした。古い習慣の代わりに新しい日課をつくろうとしているなら、数週間ではなく、数か月単位で計画しましょう。
「習慣は21日で身につく」というのは迷信ですか?
ほぼ、その通りです。この説は習慣の研究ではなく、整形手術を受けた患者についての逸話から来ているようです。健康習慣についての研究では、少なくとも2〜5か月を見込むべきだとされていて、個人差も大きくなっています。
連続記録はやる気につながりますか?
つながることがあります。ある一連の研究では、記録に途切れた連続記録ではなく、途切れていない連続記録が表示されているときのほうが、人は続けやすくなっていました。連続記録が途切れたときのダメージは、自分を責めた人ほど大きくなりました。ですから、良い日の割合など、ほかの指標も目に入るようにしておきましょう。
習慣トラッカーは、依存症からの回復に役立ちますか?
回復の支えにはなります。再発予防では、状況、気持ち、欲求を記録しておくと、リスクの高い瞬間に気づきやすくなります。ただし、トラッカーは治療ではありません。つらいときは、医師や支援窓口に相談してください。お酒を大量に、あるいは毎日飲んでいる場合は、アルコールの離脱症状が危険なこともあるため、やめる前に医師に相談してください。やめた後にひどい意識の混乱、幻覚、けいれん発作が起きたら、救急での治療が必要です。
毎日のセルフモニタリングを試してみたいなら、Guardian Angelを使ってみてください。習慣ごとにシンプルな毎日のチェックインができ、その答えを曜日ごとのパターンや月ごとのまとめにしてくれます。ダウンロードは無料で、記録はスマホの中だけに保存されます。
今すぐ相談できる窓口
- 緊急のとき:身の危険があるときや急に体調が悪くなったときは、119に電話して救急車を呼んでください。お酒や薬物をやめたあとに、混乱、幻覚、けいれんが出たときも同じです。
- 死にたい気持ちがあるときや、つらくて限界なとき:#いのちSOS 0120-061-338、よりそいホットライン 0120-279-338。どちらも無料・24時間対応です。
- お酒や薬物のこと:地域の精神保健福祉センターや保健所で相談できます。窓口は依存症対策全国センターで探せます。
- たばこのこと:かかりつけ医や禁煙外来へ。条件を満たせば、健康保険で禁煙治療を受けられます。
- ギャンブルのこと:地域の精神保健福祉センターのほか、ギャンブル依存症予防回復支援センター 0120-683-705(無料・24時間)でも相談できます。
- 日本国外にいるとき:Find a Helplineで、国ごとの無料・秘密厳守の相談窓口を探せます。