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禁酒・禁煙の節目:1日、30日、90日、1年のお祝いのしかた

24時間から3年まで。禁酒・断酒や禁煙の節目それぞれが持つ意味と、渇望(強い欲求)を招かずにお祝いする方法を紹介します。

禁酒や禁煙の節目(マイルストーン)とは、お酒、ニコチン、ギャンブルなどの習慣から離れて過ごした時間に区切りをつける、チェックポイントのことです。よく使われる節目は、1日、3日、1週間、2週間、30日、60日、90日、6か月、1年、そしてその後の毎年です。どの節目も、昔の習慣ではなく、新しい生活を育てるものでお祝いしましょう。

お酒や薬物をやめようとしていますか? まずは安全を確認してください。アルコールの離脱症状は危険な場合があります。大量に、または毎日お酒を飲んでいる場合や、以前やめたときに手が震えた、汗をかいた、具合が悪くなったことがある場合は、やめる前に医師に相談してください。ベンゾジアゼピン系の薬(一部の睡眠薬や抗不安薬)も同じです。米国食品医薬品局(FDA)は、急にやめると命に関わるけいれん発作が起こることがあると警告しています。少しずつ減らしていく計画を、医師に立ててもらいましょう。激しい震え、意識の混乱、幻覚、けいれん発作があれば、すぐに救急医療が必要です。

禁酒・禁煙の節目:ひと目でわかる一覧

節目 よくあること お祝いのしかた
1日 最初の一歩 ひとりに伝える
3日 離脱症状がいちばんつらい時期のことも 休んで、しっかり食べる
1週間 体の症状が和らぎ始める ちょっとしたごほうび
2週間 新しい生活のリズムが形になる 本や習いごと
30日 1か月達成 1日目の自分への手紙
60日 新しい習慣が根づく 特別な体験
90日 「早期寛解」が始まる 大きめのごほうび
6か月 気分が上向き始めることも メモを読み返す
1年 すべての季節をひと通り経験 記念日の恒例行事
2〜3年 良い変化が積み重なる 恩返しをする

実際の流れは、人によって異なります。

節目を大切にしたい理由

「もう二度としない」は、頭の中で抱えるには大きすぎる目標です。節目は、それを手の届く段階に分けてくれます。そしてひとつ越えるたびに、難しいことをやり遂げられると証明してくれます。小さな成功を祝うことには、研究の裏づけもあります。

  • ごほうびは、新しい行動を定着させる。大規模な2025年のコクラン・レビューでは、タバコを吸わずにいたことに対して現金や商品券を受け取った人は、6か月以上たった時点で禁煙できている可能性が約50%高くなっていました。自分で自分をお祝いするのも、同じ考え方です。増やしたい行動に、ごほうびをあげましょう。
  • 続けるほど、自信は育つ心理学者アラン・マーラットの再発予防モデルでは、やめ続けられるという自信は、続けた期間が長くなるほど、そして危ない場面を乗り越えるたびに高まっていくとされています。
  • 進み具合を記録すると役に立つ138件の研究をまとめた2016年の分析では、進み具合をモニタリングすると目標を達成しやすくなり、特に書き留めたり人に伝えたりした場合にその傾向が強いことがわかりました。習慣の記録は本当に効果があるのかについても、詳しく紹介しています。

節目は、自分自身についての語り方も変えてくれます。「やめようとしているところ」が、少しずつ「お酒は飲まないんです」「タバコは吸いません」に変わっていくのです。

1日目と3日目:最初の一歩

最初の24時間を乗り切ることは、立派な達成です。30日目まで待たずに、今の自分を誇りに思ってください。

この時期によく起こることを、英国の国民保健サービス(NHS)の情報をもとに紹介します。

  • お酒離脱症状は最後に飲んでから6〜12時間以内に始まり、ふつう3〜7日間続きます。
  • ニコチン:症状は最初の1週間、特に最初の3日間にいちばん強くなるのがふつうです。
  • タバコをやめた人へのうれしい知らせ:48時間たつと、体内の一酸化炭素の濃度が、タバコを吸わない人と同じレベルまで下がります。

お祝いのしかた:味方になってくれる人ひとりにメッセージを送る、好きな料理を食べる、早めに寝る。

気をつけたいこと:アルコールの離脱症状。症状が出たら、ひとりで我慢して乗り切ろうとせず、医療機関で助けを求めてください。

やめて1週間と2週間

7日目は、はじめて丸1週間を過ごせた日です。アルコールの離脱症状は、たいていこの頃までに治まります。ただしNHSによると、大量に飲んでいた場合は、一部の症状が数か月続くこともあります。ニコチンの離脱症状は、平均で3〜4週間続きます。

14日目のテーマは、生活のリズムです。以前その習慣に使っていた時間を、何か新しいもので埋めましょう。散歩、電話、習いごと、そして手に持つ飲み物を炭酸水や温かいお茶に替えることなどです。

お祝いのしかた:後回しにしていた、ちょっとしたもの。たとえば、本や新しいランニングシューズ。

気をつけたいこと:眠れない、不安、イライラ。やめたばかりの頃にはよくあることで、たいていは落ち着いていきます。渇望(強い欲求)のままに動く前に、お腹が空いていないか、イライラしていないか、寂しくないか、疲れていないか(HALT)を確かめましょう。

やめて30日と60日

30日目は大きな節目です。禁煙している人にとっては、特にそうです。NHSによると、28日間タバコを吸わずに過ごせた人は、完全にやめられる可能性が5倍になります。

お酒については、2018年の小規模な研究で、アルコール依存のない、中程度から大量に飲む94人を追跡しました。1か月お酒を飲まずに過ごすと、血圧、インスリン抵抗性、体重が下がりました。週ごとの流れは、やめてから最初の30日間に起こることで紹介しています。

60日目になる頃には、新しい生活のリズムが当たり前に感じられ始めるかもしれません。習慣づくりについての研究では、新しい毎日の習慣が自然にできるようになるまで、平均で約66日かかりました。ただし、人によって大きな差がありました。

お祝いのしかた:1日目の自分に、楽になったことを手紙で伝える。または、モノではなく体験を。日帰り旅行や料理教室などがおすすめです。

気をつけたいこと:自分を試したくなる気持ち(「2か月もやめられたんだから、一杯(一本)くらい大丈夫なはず」)。マーラットの研究では、自分のコントロール力を試すことが、再発につながりやすい危険な状況のひとつに挙げられています。そんな考えが浮かんだら、渇望と同じように扱いましょう。過ぎ去るのを待ち、誰かに話してください。

やめて90日:回復の初期段階が始まる節目

90日は、多くの人が目標にする節目です。そして、研究者が使う区切りでもあります。

米国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)は、アルコール使用障害の寛解を、続いている期間によって分類しています。初期寛解(3か月まで)、早期寛解(3か月〜1年)、持続寛解(1〜5年)、安定寛解(5年を超える)の4つです。つまり90日目は、「初期」が「早期」に変わる日です。渇望があっても寛解から外れるわけではないので、90日たってもまだ欲求を感じるとしても、やり方が間違っているわけではありません。

禁煙している場合、NHSによると、3〜9か月のあいだに肺の機能が最大10%高まり、せきや喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音)が改善します。

お祝いのしかた:使わずに済んだお金で、少し大きめのごほうびを。支えてくれた人たちと、この日を一緒に過ごしましょう。

気をつけたいこと:気のゆるみ。自助グループのミーティング、毎日の記録、いちばんつらい時間帯のための計画など、ここまで支えてくれたものを手放したくなるかもしれません。でも、続けましょう。

やめて6か月

半年たったということは、昔の習慣なしで、たくさんの「初めて」を経験してきたはずです。誕生日、つらい1週間、連休、もしかすると大切な人やものを失う経験も。

この頃は、「うまくやれている」だけでなく、「気持ちが楽になってきた」と感じ始める時期かもしれません。お酒や薬物の問題を乗り越えた大人を対象にした米国の全国調査では、幸福感と自尊心は最初に下がることが多く、その後上がっていきました。幸福感は約5か月後から、自尊心は約1年後からです。

ただし、これはある一時点での調査なので、実際の歩みは人によって違うかもしれません。

お祝いのしかた:振り返り。1か月目のメモを読み返し、良い日を数え、半年の節目を信頼できる人と分かち合いましょう。

気をつけたいこと:結婚式や出張など、やめてからまだ経験していない行事。前もって計画を立てておきましょう。

やめて1年、そして2年、3年

1年の節目は、英語では「しらふの記念日(sober anniversary)」を縮めて「ソーバーバーサリー」と呼ばれることがよくあります。これで、すべての季節と行事をひと通り経験したことになります。

NIAAAは、1年以降のアルコール使用障害の寛解を「持続」寛解と呼んでいます。禁煙している場合、NHSによると、1年後には心臓発作のリスクが喫煙者の半分になります。

2年目、3年目も、その積み重ねは続きます。先ほどの米国の調査では、幸福感などの心の健康の指標は最初の約6年間でいちばん大きく上がり、その後はゆるやかになりました。また著者らによると、4〜5年たつと、問題が再び起こる1年あたりのリスクは、一般の人とほぼ同じ程度まで下がります。

記念日のお祝いアイデア:旅行、支えてくれた人たちとの食事、毎年同じ場所で撮る写真、何かを植える、ボランティアや、始めたばかりの人を支えることで恩返しをする。

気をつけたいこと:「もう終わった」と思うこと。この調査の著者らは、3年目ごろに心の苦しさが強まったという研究を紹介しています。役立っている習慣は、必要だと感じることが減っても続けましょう。

渇望を招かずに、やめ続けてきた日々をお祝いする方法

お祝いには危険も潜んでいます。マーラットの研究では、楽しい気分やお祝いの場が、再発と結びつけられています。ですから、節目の日も、ほかの危険な日と同じように計画を立てましょう。

その習慣を中心にしない、お祝いのアイデアです。

  • 浮いたお金を使う。欲しかったものに、そのお金を充てましょう。
  • いつもと違う時間帯を選ぶ。夜がお酒の時間だったなら、カフェでモーニングを食べる、朝のハイキング、ピクニックなどを試してみましょう。
  • 体を動かす。泳ぐ、長めに歩く、はじめての5kmランなど。
  • ありがとうを伝える。いちばん助けてくれた人に、感謝のメッセージを送りましょう。

節目の日の計画。前日に、次の質問に答えておきましょう。

  • 最初に何を注文する?(ノンアルコールのものを選びましょう。)
  • 渇望が来たら、どうする?
  • いつ、どうやって帰る?
  • 前後に、誰にメッセージを送る?

禁酒・禁煙のバッジ:スマホの中の「チップ」

一部の自助グループで配られるチップやメダルには、デジタル版の仲間ができました。それが、禁酒・禁煙のバッジです。Guardian Angelでは、1、3、7、14、30、60、90、180、365、730、1,095日目に3Dのバッジがもらえます。バッジの履歴には、難しい日があったあとでも、これまでに獲得したすべてのバッジの記録が残ります。バッジがやる気につながるなら、禁酒・禁煙カウンターアプリを選ぶときに、バッジがあるかどうかを確かめましょう。

節目がむなしく感じるとき、プレッシャーになるとき

すべての節目がお祝い気分になるとは限りません。誇らしく感じるはずの日に、何も感じなかったり、悲しくなったりする人もいます。それは、回復がうまくいっていないという意味ではありません。

落ち込みや不安が続く、あるいは絶望的な気持ちになるときは、医師や心の健康の専門家に相談してください。

数字がプレッシャーに感じられることもあります。日数のカウントを失うのが怖くなると、その恐れ自体がストレスになることがあります。

一度スリップしても、過ごしてきた日々が消えるわけではありません。つまずきはよくあることで、多くの人がそこから学び、歩み続けています。

オピオイドの場合、スリップには特別な危険があります。WHO(世界保健機関)は、しばらく使わなかったあとに再び使うことを、過剰摂取(オーバードーズ)の危険因子に挙げています。英国の薬物相談サービスであるFRANKも、ヘロインをやめると数日のうちに耐性が下がると警告しています。そのため、以前と同じ量で過剰摂取を起こすことがあります。

瞳孔が点のように小さくなる、呼吸が遅い・苦しそう、目を覚まさないといった状態は、過剰摂取のサインです。すぐに救急医療を受けてください。

スリップしてしまったら、禁酒・禁煙カウンターをリセットするかどうかについての記事も読んでみてください。

節目を自分の味方にするためのヒントです。

  • 自分に合った節目を選ぶ。やめてから初めて迎える結婚式、給料日、連休のほうが、キリのいい数字より大きな意味を持つこともあります。
  • 人と比べない。誰かの5年は、あなたの5日の価値を小さくしません。
  • 長い目で見る。良い日の合計は、現在の連続日数よりも多くのことを物語ってくれます。

よくある質問

禁酒・禁煙の「節目」とは何ですか?

お酒、薬物、ニコチン、ギャンブルなどの習慣から、どれだけ離れていられたかを示す区切りです。1日から1年、さらにその先まであります。節目を意識すると、大きすぎる目標が、手の届く段階に変わります。

断酒の「チップ」とは何ですか?

一部の12ステップ・グループが、やめ続けた期間の節目にメンバーに贈る、小さなトークンやコイン、メダルのことです。アルコホーリクス・アノニマス(AA)によると、AA自体はチップを作ったり売ったりしておらず、どんな習慣にするかはそれぞれの地域のグループが決めています。アプリには、そのデジタル版があり、よく「バッジ」と呼ばれています。

やめて1年などの記念日を迎えた人には、何と声をかければいいですか?

シンプルに、相手を主役にしましょう。「1年おめでとう。本当によくがんばったね」。お酒をネタにした冗談は避け、「じゃあ、そろそろ一杯いける?」のようなことは決して聞かないでください。

スリップしても、それまでの節目には意味がありますか?

はい。やめていた日々は確かにあったもので、その間に学んだことも自分の中に残ります。いちばん大切なのは、次にどうするかです。支えを求め、スリップにつながったことを振り返り、もう一度始めましょう。


節目を代わりに数えてほしいなら、Guardian Angelを試してみてください。毎日シンプルに記録するだけで、1日目から3年まで、節目ごとにバッジで祝ってくれます。ダウンロードは無料で、記録はスマホの中だけに保存されます。

今すぐ相談できる窓口

  • 緊急のとき:身の危険があるときや急に体調が悪くなったときは、119に電話して救急車を呼んでください。お酒や薬物をやめたあとに、混乱、幻覚、けいれんが出たときも同じです。
  • 死にたい気持ちがあるときや、つらくて限界なとき:#いのちSOS 0120-061-338、よりそいホットライン 0120-279-338。どちらも無料・24時間対応です。
  • お酒や薬物のこと:地域の精神保健福祉センターや保健所で相談できます。窓口は依存症対策全国センターで探せます。
  • たばこのこと:かかりつけ医や禁煙外来へ。条件を満たせば、健康保険で禁煙治療を受けられます。
  • ギャンブルのこと:地域の精神保健福祉センターのほか、ギャンブル依存症予防回復支援センター 0120-683-705(無料・24時間)でも相談できます。
  • 日本国外にいるときFind a Helplineで、国ごとの無料・秘密厳守の相談窓口を探せます。